Detective Jessica Rabbit is now on the case in Mickey's Toontown, making her debut today in "Roger Rabbit's Car Toon Spin" at #Disneyland Park. See more photos and video here: https://t.co/bqeRuOw5Uk pic.twitter.com/KvRAr1v4p3
— LaughingPlace.com (@laughing_place) 2021年12月9日
今年の9月にアップデートが発表されていた、カリフォルニア州アナイムのディズニーランド・パークのアトラクション「ロジャーラビットのカートゥーンスピン」ですが、現地時間の12月8日(日本時間の9日)、遂にアップデートされました。
今回はその情報と私の感想です。
アップデート内容:ジェシカが探偵に
こちらのブログに新しいジェシカのオーディオアニマトロニクスの画像が2枚あります。
ジェシカが探偵に変更され、服装は今までのスパンコールのドレスから、黄色いハットとトレンチコートに変わっています。
どうやらこのコートは、『ディック・トレイシー』(警察ものコミック。1990年にはタッチストーンで映画化もされています)を意識したものらしいです。
まずジェシカの最初の登場シーン。今までは縛られて車のトランクに入れらていましたが、新しいバージョンではイタチがディップを流すのを止めようとしています。
©Dsiney / Amblin(出典:ディズニーファン 2021年7月号)
▲これまでのバージョン(微妙な画像で申し訳ありません)
そして2回目の登場シーン。ハンマーを抱えていることは今までのバージョンと同じですが、服装がトレンチコートに変わっています。
そしてジェシカの横には「ANTI-WAESEL」(反イタチ)と書かれた武器が入った箱が追加されました。
更に横にいるウィージー(ヘビースモーカーのイタチ)からは、今まで帽子と胸ポケットに刺さっていたタバコがなくなっています。
左手にも元々タバコを持っていましたが、こちらはどうなったのかよく見えません。
しかし帽子と胸ポケットからなくなっているので、左手のタバコもなくなったものと思われます。
©Dsiney / Amblin(出典:New My Tokyo Disneyland ⑬ トゥーンタウン・ガイドブック)
▲これまでのバージョン
▲新バージョンのライド全貌の動画
こちらの動画ではQラインの様子も見ることができます。
ジェシカのシルエットもコートとハットを身に着けていることがわかりますし、ジェシカが探偵になったことを示す新しいプロップも追加されています。
Here's some more information about the new Roger Rabbit's Car Toon Spin backstory at Disneyland. This poster will be displayed in the queue.
— Scott Gustin (@ScottGustin) 2021年9月15日
Some background: https://t.co/ddPkhxX9ZB pic.twitter.com/bzNrM3Cb5c
▲新しいプロップ
ざっくり翻訳したものがこちら
EXTRA! EXTRA!
トゥーンパトロールのイタチが復活したことで、ミッキーのトゥーンタウンで犯罪が急増していることを受け、ジェシカ・ラビットはそろそろ自分のフェドラ帽を投げ出して、私立探偵を始めるべきだと決めました。長年の友人であり、トゥーンの伝説的な探偵であるエディ・バリアントからインスピレーションを受け、ジェシカは自分が本気であることを示します。
ジェシカの有名な女優としてのキャリアは、マルーン・カートゥーンのパフォーマー・ファミリーの中で最も有名なスターの一人となっています。今、彼女はそのキャリアを利用して声を上げています。
先週、ジェシカは「もういい加減にして」と叫んでいました。「善良なトゥーンたちは、夜になると怖くて外に出られなくなっています。状況は日に日に悪化しています。あのイタチたちは何か大きなことを企んでいる……私はそれを見つけ出して、止めを刺すつもりよ!」と。
イタチどもよ気をつけろ!お前らの恐怖の支配は終わる!
出典:dpost.jp
9月の時点では「ジェシカが主役になる」と発表されていましたが、結局ジェシカの出番が増えたりすることはなく、今までのオーディオアニマトロニクスの変更に留まりました。
感想:キャラクターのアイデンティティを奪うな
…以上、ここまでがニュースで、以下は私の個人的な感想です。
(注意:めちゃくちゃ怒ってます。)
トゥーンタウンが2023年に子供向け・ファミリー向けにリニューアルするからそれに向けてということなんでしょうが…。
…………………………………………。
もうね、憤りと落胆で言葉も出ません。
ジェシカはトレンチコートを着ようがドレスを着ようが美しいですよ。ええ。
でも、ジェシカの元々のセクシーさを奪わないでほしいです。
ジェシカの最大の特徴であるセクシーさを奪うのは、アイデンティティを奪うことと同然だと思います。
以前のバージョンが「時代にそぐわない」、「不適切」だということらしいのですが、ジェシカの元々持っている魅力であるセクシーさを覆い隠すことが「適切」なことなんでしょうか。
近年のディズニーは多様性を謳っていながら、ジェシカについてはキャラクターの生まれ持った魅力を否定するのでしょうか。
ジェシカは大きな胸や極端なまでにくびれた腰を持っていますが、トゥーンである彼女は「人間によってそういう風に描かれた」という設定の持ち主なんです。
その上で自分の魅力を活かして生きている、そういうキャラクターなんです。
ジェシカは何も悪くないんです。
なのにセクシーなボディと衣装のジェシカが悪いとでも言われたような気分です。
確かにジェシカのドレスは露出が多いですが、かといってアトラクションにおいて特別問題があるとは思いません。
あのドレスはジェシカを美しく魅力的に見せる服だと私は思います。
それを「不適切」だの言われるのは本当に腹が立ちます。
それに映画ではクラブ歌手のジェシカが、アトラクションでは全く違う服装、職業で登場するってどうなんでしょうか。
私は正直違和感だらけですし意味がわかりません。
ジェシカが探偵になったことを説明するのも、取って付けたような小さなプロップのみ。
ただジェシカが縛られて車のトランクに詰め込まれているのが良くないから変えよう、という話だったらまあわからなくもないです。
でも同時に、わざわざ変えなくても良いのでは……?とも思います。ジェシカは最後にはちゃんとイタチに反撃していますしね。
(でも良くないと言われれば、「まあそうなのかもね………」と思う気持ちもなくはないのですが)(どっちだよ)
誘拐事件というのは現実にも起きていることで、「その被害者にとってはあの描写に嫌な思いをする可能性は十分ある」と言われたら何も言えないのですが。
誘拐シーンの変更はまあまあまあいいとしても、「ロジャーラビットのカートゥーンスピン」は、「さらわれたジェシカをロジャーが助けに行く」というストーリーなんです。
ジェシカがさらわれなかったら、ストーリーがまるまる成立しなくなってしまうんですよね。
だからジェシカがされわれないなら、それでもストーリーの筋が通るようにきちんと作り直してほしいです。
新バージョンではジェシカが変更されたのみで、ロジャーは何も変更がないんですよね。
ジェシカがさらわれないなら、ロジャーはなぜわざわざイタチがディップを流しているトゥーンタウンに向かうのでしょうか。謎です。
ジェシカの露出と誘拐だけを変更すればそれでオッケーなんでしょうか。
「露出が多いキャラがいるのはまずいから取り合えず隠しとけ」、「誘拐されなきゃそれでいい」なんてそんなの、臭いもの(運営的に)に蓋をしたにすぎません。雑すぎます。
元々映画を見ないとよくわからないアトラクションでしたが、これでは映画を見てもよくわからないアトラクションになってしまったなと思います。
そして、ウィージーからはタバコが没収されました。
いやふざけんなと。
確かにタバコは子供向けエリアのトゥーンタウンには適さないかもしれません。
でもタバコはウィージーのアイデンティティとなるアイテムなのに!?それでも没収するほどダメなの…!?
ジェシカに続き、キャラクターがアイデンティティを剥奪される様を見るなんて、腹立たしくて仕方がないです。
更に、ウィージーのタバコは没収されましたが、なんとベビー・ハーマンの葉巻はしっかり残っています。
(先にも紹介したこちらの動画で確認できます>>Detective Jessica Rabbit Debuts on Roger Rabbit’s Car Toon Spin at Disneyland Park - YouTube)
は???
意味がわかりません。
回転するライドですぐに通り過ぎるウィージーのタバコよりも、Qラインのベビーの葉巻の方がよっぽどゲストの目に留まるでしょうが!
ウィージーだけオーディオアニマトロニクスからタバコを撤去するような、そんな重箱の隅をつつくようなことします!?
もう訳がわかりません…。
それにウィージーはタバコを没収されても、右手に持った銃は旧バージョンから相変わらずです。
タバコはダメで銃はOKなんですか…?
もう本当に意味がわかりません。
今回のアップデートについて決定を下したお方は一体何を基準に判断しているのか…。
意味がわからん…。
そもそも映画『ロジャー・ラビット』は大人向けの映画です。
年齢制限こそついていませんし子供も楽しめる部分は大いにありますが、中身はブラックだったり下ネタもあったりする映画です。
『ロジャー・ラビット』が大人向けであることは、本作がディズニーの大人向け映画部門、タッチストーン・ピクチャーズから発表されていることからもわかります。
そんな『ロジャー・ラビット』が元になったトゥーンタウンを子供向けエリアにし、『ロジャー・ラビット』のキャラクターたちを子供向けエリアに持ってきておいて、それで後になって不適切だなんだと言って改変する。そしてキャラクターのアイデンティティを奪っていく。
なんなんでしょうか。振り回すのはやめてほしいです。
今回のアップデートの決定を下した人たちの中に、果たして『ロジャー・ラビット』という作品に愛がある方はいるのでしょうか。
関連記事